以前の記事で、私がアメリカに行った経験をもとに日本の大学生とアメリカの大学生の意識の違いについて書きました。その記事を書く中で見えてきた共通の問題——それが「学費」です。

「アメリカの学費は高い」とよく言われますが、実際どの程度なのでしょうか。今回は、日本とアメリカの大学の学費と、それにまつわる問題点についてお話しします。

INDEX
  1. 日本の学費と奨学金の現状
  2. アメリカの学費はどのくらい?
  3. 日本とアメリカの違いを整理すると
  4. おわりに

日本の学費と奨学金の現状

日本では、大学生の75%が私立大学に通っています。国公立の学費は比較的安い水準ですが、その恩恵を受けられるのは25%ほど。私立大学に通う場合、学費を自分で払う人や、奨学金を借りて進学する人も少なくありません。

実際、日本ではほぼ半数の学生が奨学金を借りています。JASSO(日本学生支援機構)の奨学金は無利子に近いものもありますが、それでも約半数の学生が卒業と同時に借金を背負うことになるのです。

奨学金はいつまで払い続けるの?

返済期間は13〜20年ほど。高校卒業後すぐに大学へ入学したとすると、35〜42歳くらいまで払い続ける計算になります。一括返済も可能ですが、それが現実的になるのは社会人になって5〜10年目の話です。

一方で、2020年4月からは授業料等の減免制度が始まりました。世帯の所得や家計状況に応じて授業料の減免を受けられる制度で、大学だけでなく対象となる専門学校もあります。頑張る人をサポートする仕組みが増えてきているのは心強いことですし、こうした制度がもっと充実するとよいですね。

アメリカの学費はどのくらい?

アメリカでは、国内在住の学生と留学生とで学費が異なります。4年制大学の場合、アメリカ在住の学生で約1,040万円、留学生だと約1,700万円ほど。私立大学では約2,120万円にものぼります。

留学生は在住学生の約2倍の学費がかかりますが、その分、給付型(返済不要)の奨学金をもらえることが多いといわれています。高校時代の成績や通っていた高校のレベルにもよりますが、おおよそ62〜253万円ほど。日本にも、海外の大学へ進学する学生向けの奨学金があります。

学費以外にもかさむ費用

アメリカの学生は、州外や実家から車で2〜4時間かかる大学に進学する人がかなり多く、ほとんどの学生が大学の寮やアパートに住みます。そのため、寮費・家賃、食費、光熱費がかさみます。

加えて教材も高く、日本よりかなり高額で、1冊1万円近くするものもあります。先輩から譲ってもらうなどしてコストを浮かせる工夫も一般的です。また、州に税金を納めている家庭の学生が優遇されやすいため、州外出身だと余分に学費を払う必要に迫られることもあります。

日本とアメリカの違いを整理すると

日本アメリカ
進学先の傾向75%が私立大学州外進学が多く寮・アパート暮らしが主流
奨学金約半数が利用。卒業と同時に返済が始まる留学生を中心に給付型(返済不要)が手厚い
返済の負担13〜20年、35〜42歳頃まで続く州外出身者は学費の割増などの制度的格差も
学費以外の負担実家から通える大学も多い寮費・食費・光熱費に加え教材費も高額

おわりに

日本では近年、行政主導の学生支援制度が増えており、所得による格差が生まれにくいよう、学びたい学生を助ける仕組みができつつあります。一方で、奨学金の返済に追われてしまうという問題点は残ります。

アメリカの学費の高さは有名ですが、ここで紹介した金額はあくまで平均で、文系でも年間500万円かかる大学もあります。そして、制度的な格差もまだまだ残っているのが現状です。

私自身、実際にアメリカの大学に通い、学費や教材代の高さを肌で感じました。留学生向けの給付型奨学金をもらえていたので平均くらいの負担で済みましたが、もしそれがなければ、かなり苦しかっただろうと思います。

参考:生命保険文化センターTop Universities

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※本記事は2020年に公開した内容を再編集したものです。