私は高校を卒業してすぐに、アメリカの大学へ留学しました。現地で学生生活を送るなかで強く感じたのは、日本とアメリカでは「大学へ通うことへの意識」に大きな違いがあるということです。

その違いを生む一番の要因は、大学の評価基準授業内容の差だと私は考えています。今回は実体験をもとに、この二つの視点から日米の大学を比べていきます。

INDEX
  1. 評価基準の違いをひと目で比較
  2. 日本の大学——受け身になりやすい仕組み
  3. アメリカの大学——「休む」という概念が薄い
  4. 仕組みの差が生む、意識の違い
  5. おわりに

評価基準の違いをひと目で比較

まずは、一般的な日本の大学とアメリカの大学の評価基準を表にまとめました。

日本の大学アメリカの大学
授業形式一方通行の講義が中心双方向・参加型
出席求められないことも多い成績にカウント(25%)
レポート評価の柱のひとつあり(10%)
プレゼンほぼなしあり(10%)
クラス内討論ほぼなしあり(25%)
期末テストclosed book(比重大)open book(40%)

アメリカの大学は、最終試験以外の平常点も広く評価対象とするCA(Continual Assessment=継続的評価)方式が基本です。表の通り、出席・討論・プレゼンなど日々の取り組みが成績の大部分を占めます。

日本の大学——受け身になりやすい仕組み

日本のほとんどの大学では、レポート・中間試験・期末試験の三つが成績評価の中心です。授業によっては出席率が含まれたり、理系では実験が加わったりしますが、出席が求められないクラスも数多く存在します。

出席確認は学生証を機械にかざす方式が多いため、友達に学生証を預けて教室を出てしまう学生も見かけます。授業も受け身型の講義が中心で、モチベーションを保てずに途中から出席しなくなる人が増えていく、という構図があります。

また、学生がアウトプットする機会が少ないのも特徴です。チームワークやプレゼンを求められる場面が少なく、宿題も出ないクラスが多め。人前での発表に慣れていないため、学部生のプロジェクト発表は完成度が低くても許容される傾向があります。インプットばかりでアウトプットの場がないからこそ、もう少し参加型の授業が増えてもいいのに、と感じます。

アメリカの大学——「休む」という概念が薄い

アメリカの大学も評価項目自体は日本と大きく変わりませんが、決定的に違うのが出席率の扱いです。出席は成績の25%を占めるため、出席率が低いと単位を落とす可能性が出てきます。

クラスによっては「欠席は3回まで」という厳しいルールがあり、それを超えると両親に電話がかかる大学もあるほど。そのため、そもそも「クラスを休む」という発想があまりありません。

授業はほとんどが参加型です。みんなで話し合い、意見を出し合い、インプットしたことをその場でアウトプットしながらさらに学びを深めていきます。ほとんどのクラスで毎日、リーディングやレポート、プレゼンなどの宿題が出るので予習・復習は欠かせませんが、そのぶん退屈なクラスは少なく、力がしっかり身につきます。

仕組みの差が生む、意識の違い

日本では「なんとなく大学に行く」という人が多く見られます。やりたいことが見つからないまま進学し、受け身の授業に参加しなくなり、出席もしなくなり、留年や中退につながってしまう——そんなケースも少なくありません。日本で留年する人は4人に1人と言われています。

一方アメリカでは、高校卒業後に大学へ進学する人は6割ほどですが、その多くは「自ら大学で学びたい」という意志を持っています。実際に「なぜこの大学に来たの?」と聞くと、「勉強したい専攻が有名だから」「クラブチームが強いから」と、理由がはっきり返ってきました。だからこそクラスに出ない人はかなり少なく、活発な議論から多くを学べる環境になっています。

学費という、もうひとつの現実

  • 日本の大学進学率は約50%。学費を自分で払う場合は貸与型奨学金(借金)に頼ることが多く、社会人になってからも返済が続き、30歳頃まで払い続ける人もいます
  • アメリカは学費の高騰が問題になっており、進学をあきらめる人もいる一方、返済不要の奨学金で通う学生もいます

学費の日米差については、別の記事で詳しく取り上げています。

おわりに

留学を通して、日本の学生はアメリカの学生に比べると学びへの意識が低いと感じました。もちろん学生だけの問題ではなく、授業のあり方にも原因はあると思います。実際、参加型の授業へ切り替えていく日本の大学も増えてきています。

それでも、高校のうちから自発的に行動し、自分の考えを持つことで、行きたい大学は見つけられるはずです。友達同士で意見交換をしてみるなど、今すぐできることから始めて、大学生活をより意味のあるものにしてほしいと思います。

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※本記事は2020年に公開した内容を再編集したものです。