2020年のアメリカ大統領選挙は、世界中の注目を集めました。テレビで見ていた方も多いのではないでしょうか。このときの投票率は南北戦争後で最も高くなったことでも話題を呼び、10〜20代の若者もたくさん投票に参加しました。

一方の日本は、選挙権年齢が18歳に引き下げられたにもかかわらず、投票率は年々下がっています。なぜ日本の若者は政治にここまで無関心なのか。投票率の高い国と比べて何が違うのかを、今回はお話ししていきます。

INDEX
  1. まず、日本の若者の投票率はどの程度?
  2. 世界が注目したアメリカの若者は?
  3. 投票率の高い国・スウェーデンの場合
  4. おわりに

まず、日本の若者の投票率はどの程度?

10〜30代の政治への無関心は、いまや深刻な問題になっています。一方で60代の投票率は70%を上回っており、世代間でかなりの差があります。これでは、若者に向けた制度が改善されるのは難しいかもしれません。

「年金がもらえるかわからないのに払いたくない」という声もよく聞きますが、選挙に行かなければ何も変わらない——これが現状です。これからの日本がいい方向に進むのも、悪い方向に進むのも、私たち若者次第だと思います。

世界が注目したアメリカの若者は?

実はアメリカの若者の投票率は43%。日本よりは高いものの、半数を超えない結果でした。自由を重んじるアメリカは投票率が高いイメージがありましたが、意外にも低い数字です。その背景の一つに、選挙制度の問題があると考えられます。

日本では住民基本台帳があり、選挙の時期になると自動的に選挙人名簿に登録されて投票のご案内が送られてきます。ところがアメリカには住民台帳の制度がなく、有権者登録を自ら申請しなければなりません。登録には運転免許証や公共料金の領収証など、国が認める身分証明書が必要です。

そのため、特別な事情を抱える家庭では選挙に参加できない人たちも少なくありません。こうした「投票へのハードルの高さ」が、投票率の低さにつながっている面もあるのです。

投票率の高い国・スウェーデンの場合

若者の投票率が高い国の代表例が、スウェーデンです。18〜24歳の投票率は80%を超えています。その理由として挙げられるのが、小学校の頃から行われる政治教育です。

もちろん日本にも政治に関する授業はあります。ただし日本の内容は、政治の仕組みや国会の働き、選挙制度についての一般的な座学が中心です。これに対してスウェーデンは、徹底した実践志向。家庭や職場での差別やいじめ、薬物乱用や犯罪まで、子どもや若者が現在あるいは将来関わるかもしれない具体例を取り上げて、思想や制度を学びます。

さらに、小学校では学校内で実際に投票が行われることも多くあります。たとえば新しい遊具を買うとき、限られた予算内でどの遊具にするかを全生徒の投票で決めるのです。

投票箱に投票用紙を入れるイメージ

高校生になると、実際に国会に集まり、大臣と国の課題について議論する機会もあります。その内容は議事録に載り、実際の政策に反映されることもあるそうです。

若者の投票率特徴
日本年々低下選挙人名簿への登録は自動だが、政治教育は座学中心
アメリカ約43%有権者登録を自ら申請する必要があり、参加のハードルが高い
スウェーデン80%超(18〜24歳)小学校から実践的な政治教育。校内投票や国会での議論の機会も

日本では、政治の話をするのはタブーとされがちです。偏った考え方になるのを防ぐため、という理由もあるでしょう。しかし大切なのは、先生の意見をそのまま聞くことではなく、今の政治の現状や日本の政治の仕組みを誰もが理解して考え、行動に移すこと。つまり、選挙に行くことだと思います。

おわりに

日本の若者が政治に興味を持てないのは、授業で学ぶ機会が少なく、自らテレビやニュースで学ぶ人も少ないから。口では不満を言うのに、それを変えるための選挙には行かない——これでは何も変わりません。

少しでも政治に対する自分の意見を持ち、どの政党がこれからの日本を良くする政策を掲げているのかを考えて、選挙に行く学生が増えてほしいと思います。スウェーデンの例のうち、校内で投票を経験してみることなどは、日本でもすぐに取り入れられるはずです。

日本は民主主義の国です。選挙に行けば、自分の意見を少なからず政治に反映させることができます。その機会を無駄にするのはもったいない。今の日本の何が問題なのか、私たちが大人になったときに何が本当に必要なのか。自分の考えを口先だけで終わらせず、選挙を通して国政に反映し、将来の日本を良くしていきましょう。

参考:総務省「国政選挙における年代別投票率について」

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※本記事は2020年に公開した内容を再編集したものです。