「プロム」と聞いたら、どんなイメージをしますか? 高校最後の華やかなパーティーイベント。「ゴシップガール」や「ハイスクール・ミュージカル」など、映画に出てくるあのワンシーン。海外に興味がある方なら「参加してみたい!」と憧れる人も多いのではないでしょうか。
実際、日本語で「プロム」と検索するとヒットするのは「良い側面」ばかり。ですが、プロムに実際に参加した人たちと話すなかで、プロムは華やかなだけではないことを知りました。その裏には、格差や苦労、社会問題が隠れています。この記事では、日本語ではあまり語られない「プロムの裏側」をお伝えします。
まず、そもそも「プロム」って?
過去に「プロム」についてまとめた記事があります。「プロムとは何?」という方は、ぜひこちらからどうぞ。
海外版18歳の成人式&高校卒業パーティ!Promの魅力を伝えます!
「プロム」で問題視されている3つのこと
今回は、プロムの問題点として次の3つを取り上げます。
- 費用面——参加費用が高すぎる
- マイノリティに対する配慮(LGBTQなど)——プロムという文化が現代に対応しきれていない
- 安全性——ドラッグ・アルコール
1)費用面——プロムへの参加費用が高すぎる
プロムに参加するには、さまざまなお金がかかります。具体的な内訳を表にまとめました。
| 費目 | 目安(日本円) |
|---|---|
| チケット代 | 平均7,000〜10,000円 |
| 服代(ドレス) | 10,000〜60,000円 |
| 服代(レンタルタキシード) | 15,000〜20,000円 |
| コサージュ | 3,000〜10,000円 |
| 撮影費用(日本でいう前撮り) | 3,000〜10,000円 |
| その他(ヘアー・メイク・ネイルなど) | 別途 |
このように、プロムへの参加には結構なお金がかかります。幅は広いものの、平均で175〜2,100ドルかかっているというデータもあります。

参考記事:PLANNING A PROM BUDGET & SAVING FOR PROM COSTS
日本の成人式と同じく、プロムへの参加にはお金がかかります。高校生が自力で用意するのは現実的に難しく、家庭の経済状況によっては、子どものプロム費用を出してあげられない親御さんもいるそうです。そうした背景から、メインのプロムとは別に「アンチプロム」を掲げて自分たちでパーティーを開催する人たちもいます。
一方で、この格差を少しでも埋めようと活動している団体もあります。詳しくは過去記事「アメリカならではのボランティア団体! ’’Princess project’’ ドレスがタダ!?」をご覧ください。
2)マイノリティに対する配慮(LGBTQなど)
もう一つの問題として、マイノリティへの配慮が挙げられます。映画で男性が女性をプロムに誘うシーンが多くあるように、プロムは男女ペアでの参加が当たり前とされてきました。そのため、LGBTQの人々には参加しづらい・参加できないところもあり、不満を感じている方が多くいるそうです。
ミュージカル「The Prom」では、まさにこのテーマを取り上げた場面が上演されました。時代の変化とともに、最近はカップルだけでなく友達同士のグループで参加する学生も増え、性別に関係なく参加しやすくなってきているそうです。

また、生徒の抗議によってゲイカップルの参加が認められた学校も増えてきているようです。一方で、カミングアウトができずにアンチプロム側へ参加する学生もいます。自分の学校のプロムに参加できない学生のために、LGBTQの団体が主催するプロムもあります(参考リンク:LGBT Network’s 20th Annual LGBT Prom)。
3)安全性——アルコールとドラッグ
プロムは学校が主体となって開催されますが、だからといって安全とは限りません。実際にアメリカのプロムではさまざまな事件が起きており、当日の安全性に関する記事も多数あります(参考:prom night dangers)。特に挙げられるのが、アルコールとドラッグです。

アメリカでは日本と違い、飲酒が可能になるのは21歳から。プロムの参加年齢である18歳では飲酒が認められていません。お酒の販売にはとても厳しく、必ずIDの提示が必要です。それでも、プロムやパーティーの際に未成年へお酒を横流しする大人が存在し、厳罰化してもお酒が未成年の手に渡ることが問題になっています。プロムの例ではありませんが、BBQで飲酒するために大人からお酒を購入した未成年が、車の事故で亡くなった事件もあります(参考:Plano woman accused of selling alcohol to 3 teens who died in crash, police say)。
また、海外ならではの問題としてドラッグが挙げられます。アメリカではマリファナが合法な州(年齢による規制あり)もあるため、禁止されている州でも比較的手に入りやすいのが現状です。マリファナだけでなくコカインが使用されるケースもあり、プロム当日の高揚感だからこそ起きてしまう問題もあります(参考:Teen takes cocaine to high school prom; argues bag search violated her rights)。
おわりに
日本語では、プロムの負の側面はまだほとんど報道されていません。今回の記事を通して、「プロム」という文化の現状と裏側を少しでも知っていただけたのではないでしょうか。
今回取り上げた3つの点以外にも、プロムにはさまざまな問題があります。私たちは「プロム」という文化を18歳の成人式として日本で広めたいと活動していますが、海外のプロムをそのまま日本に複製するだけでは立ち行かないと考えています。良い部分は取り入れ、悪い点は改善し、日本ならではの「プロム」を開催したいと考えています。
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※本記事は2020年に公開した内容を再編集したものです。
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